名古屋地方裁判所 昭和37年(ワ)939号 判決 1962年7月21日
原告 林行夫
被告 池田和子
主文
被告は原告に対し別紙目録記載の家屋を明渡しかつ昭和三十七年五月二十五日以降右明渡済に至るまで一ヶ月金五千五百円の割合による金員を支払え。
訴訟費用は、被告の負担とする。
事実および理由
原告は主文同旨の判決並びに仮執行の宣言を求め、請求の原因として、原告は別紙目録記載の家屋の所有者であるが、被告は昭和三十七年五月二十五日以来原告に対抗しうべき正当の権原なきに拘らず右家屋を占有して原告の右家屋の使用をさまたげ、そのため原告はやむなく他の家屋を賃料一ヶ月金五千五百円にて借受けて家族四名をこれに居住せしめて同額の損害を蒙りつつある。よつてここに原告は被告に対し右家屋の明渡および右昭和三十七年五月二十五日以降右明渡済に至るまで右の一ヶ月金五千五百円の割合による損害金の支払を求めるため本訴請求に及ぶ。
と述べた。
被告は適式の呼出を受けながら最初になすべき口頭弁論の期日に出頭せず、かつ答弁書その他の準備書面の提出をもしないから原告主張の請求の原因たる事実を明らかに争わず自白したものとみなすべく、右の事実によれば被告は原告に対し右家屋の明渡をなすべき義務のあることは固より右昭和三十七年五月二十五日以降右明渡済に至るまで一ヶ月金五千五百円の割合による金員は被告の右家屋の不法占拠により原告に加え又は加うべき通常の損害と認められるのでこれが支払をなすべき義務あることも明らかであるので原告の本訴請求をすべて正当として認容し、民事訴訟法第八十九条を適用し、なお事案に鑑み仮執行の宣言を附せざることとなし主文のとおり判決する。
(裁判官 小沢三朗)